荻須高徳 誰もが知る文化勲章受章作家である。巴里風景を得意とする画風は人気があり、油彩、水彩、版画でも数々の作品を世に送り出した。
荻須は、同世代の小磯も数々の版画作品を制作したように、特にリトグラフに興味を持ち、その生涯に数百点に及ぶ数を制作した。これら作品はパリで彼を認めたフランコニー社によってカタログに纏められ出版され、現在、我々もこれを参考に出品作品の情報を調べてカタログに記述している。その数多いリトグラフのなかでも最高傑作とされるリトグラフがSALE114に出品される。

靴屋メトロ
1986年 FRANCONY141 リトグラフ 45 × 64.5 ed. 7/175
サイン有 額有 コンディションは良好
350.000/450.000円
靴屋メトロ・・・塗装の少しはげた赤い店と靴屋の看板,何気ないパリの街の風景。特にこの赤がいい、そしてワンポイントの靴の看板。この配置場所がまたよい。荻須リトグラフの最高傑作とよばれる作品にふさわしい品格だ。
オークションにも中々出ない作品なので久しぶりに今回,再度作品に出会えて,そう思った。ACN では2回目の出品、前回は競り上がり40万を越える価格になった。
その他にも今回は荻須の水彩を1点出品することが出来た。

LOT73 荻須 高徳
自動車のある風景
紙に水彩/ペンによるドローイング 23.5 × 31.5 サイン有 額有 コンディションは良好 ※ 「荻須恵美子」鑑定申請中
800.000/1.200.000円
水彩作品も数多く制作しているが、そのスケッチは洗練されたタッチでその当時のパリ風景を切り取って写生している。古びた洋館とその前に止まる当時の車、右端の車は後姿のバスだろうか?現在鑑定中で、もちろん保証での出品です。